現在、横須賀市の追浜と久里浜、藤沢市の辻堂の合計三つの地域で、子供クラスの活動を行っています。
大道塾の横須賀支部・湘南支部のこどもクラスは、大道塾の他の支部や大人のクラスとは稽古体系が大きく異なります。
伝統的な空手の稽古をベースに、フルコンタクト空手スタイルの組手を採用し、柔道で行う投げ技や受身(うけみ)の稽古の他、
体操やマット運動などの色々な運動の要素を加えた内容の稽古を行っています。
幼年部と少年部でも、それぞれの稽古内容は大きく異なります。
幼年部で基礎的な技術の習得に加え、協調性を持って楽しみながら稽古をしていく中で、集中力の向上と気持ちのオンオフの切り替え、
体を動かすことの楽しさを体で感じ、学ぶ意欲を向上させていく事を目的とした稽古を行っています。
子供らしい元気の発露と、キチンとした姿勢や気持ちのメリハリが付けられるようにしていきたいと考えています。
技術練習は型練習が中心となります。
一方で少年部では、幼年部で身に着けた基礎的な力に加えて、やや本格的な技術練習に入っていきます。
相手と技の攻防を行う“組手”(くみて)の稽古が入り、型動作も複雑になってきますので、体力的な負担や稽古の厳しさは大きく増えることになりますが、
それに耐えられるだけの基礎を幼年部で学んでいれば、切り替えの波にうまく乗って、みなと楽しみながら稽古に望んでいけるようになってきます。
ただし少年部でも、普段の稽古の中ではそれほど激しい稽古は行っていません。
精神的な緊張は稽古の中では強いていますが、稽古で大きな怪我はほとんどなく、みなオンオフの切り替えができているため、
稽古の前後や休憩時間など、ピリッとした厳しい雰囲気の稽古の合間には、みなとても楽しそうに過ごしている様子がうかがえます。
どのクラスも、稽古への出席率と継続率の高さがそうした様子を表しています。
子供クラスの活動は、スポーツとしての競技性に重点を置くのではなく、
「武道」の持つ精神性と教育的な側面に視点を置き、子供の健全な発育を目的とした活動を行っています。
稽古の中での技術を学ぶ過程において、しっかりと大きな声を出し、たくさんの汗を流して、礼儀正しく、
そして一生懸命に稽古を行い、先輩後輩を含む多くの仲間達と共に協力しながら稽古を行っていきます。
そしてお互いを尊重し、共に助け合いながら稽古を行う事で協調性を養っていきます。
子供達にとっては勝負に対する「強さ」を追求する事よりも、稽古における「姿勢」というものを学んでいくことが大切であると考えています。
時には厳しく、時には楽しく稽古を行い、「道場」 という場を、自分を鍛えて成長させることの出来る、
子供達にとってのより良い空間にしていきたいと考えています。
少年部のクラスにおいては、特に
1.大きな声で挨拶をすること。
2.正しい姿勢を取ること。
3.集中力と忍耐力を養うこと。
4.丈夫な体を作ること。
5.自分に自信を持つこと。
6.協調性を養うこと。
7.信頼と感謝の気持ちを養うこと。
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などに主眼に置いて稽古指導を行います。
稽古内容は、その日のメニューに従っていろいろな稽古を行います。
その場での基本動作の稽古、移動稽古、型の稽古、ミット打ち、組手稽古のほか、体力強化のための補強運動、
ダッシュ、マット運動や受身、投技の稽古まで、一般の体育や他の武道などの要素も含めた多くの運動を行います。
また時には、ゲーム的な要素を含めた運動なども行います。
普段の稽古を通して、まずは大きな声を出して多くの仲間の中で一緒にしっかりと体を動かします。
その中で、子供が本来持っている、体を動かすことの喜びを体で感じてもらいたいと思います。
そして少しずつでも基礎的な運動能力を向上させ、人の輪の中で互いに影響を受けながら、
人としての人間性を少しずつ育んでいける場を作り上げていきたいと考えています。